クレジットカードの発行やカード審査に国民年金の滞納が影響するのか気になる方も多いでしょう。
「すでにクレジットカードの審査に落ちてしまった」「これから審査だけど国民年金を滞納していたことがある」など、年金の支払いが遅れてしまった人もいるはず。
滞納歴があるけどクレジットカードの審査は通したい方のために、ブラックリストの基準とクレジットカード審査に関わる信用情報の状態を解説していきます。
最初にお答えすると、年金を滞納してもブラックリストにはなりません。クレジットカードの審査は信用情報機関やカード会社の自社情報を参考に良否を判定します。機関には国民年金の支払い履歴が掲載されていないため見ることが出来ません。
ですので、年金滞納とクレジットカードの審査には関係ないです。審査に落ちてしまった方は別の理由があると考えられるでしょう。
今回は、国民年金の支払いを滞納してもブラックリストにならない理由を解説しながら、国民年金を滞納するとどうなる?という疑問についてもまとめました。
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目次
国民年金の支払いを滞納してもブラックリストにはならない
国民年金の支払いを滞納してもブラックリストにはならないため、クレジットカードで審査落ちすることはありません。
支払い履歴(クレジットヒストリー)として記録される支払いを延滞するとブラックリストになりますが、クレジットヒストリーに記録されない支払いを延滞してもカード審査に影響は出ないのです。
重要なポイントは「ローン会社、カード会社を通して支払いをしているかどうか」で決まります。クレジットカードを通して支払っているもの、滞納しているものはすべて記録されているのです。
ブラックリストになる支払いの滞納
滞納するとブラックリストになるのは、CICをはじめとする「信用情報機関」に加盟しているカード会社(クレジット会社)や消費者金融業者、銀行などの支払いです。
例えば、以下のような支払いを滞納するとブラックリストとなるため注意しましょう。
- クレジットカード
- ローン(カードローン・自動車ローン・住宅ローン)
- 奨学金
- 携帯電話・スマートフォン端末(本体)の分割払い
- 個別クレジット(教材・エステなど)
- リース契約(カーリースなど)
クレジットカードやローンの支払いに関しては滞納してブラックにならないように気を付けている方も多いのですが、実は奨学金やスマホ本体の分割払い、個別クレジットもクレヒスに記録されているので滞納するとブラックになってしまいます。
奨学金の場合は3か月以上の滞納(延滞)を起こした場合に信用情報機関に個人情報が登録されるため要注意です。
スマホ本体の分割払いなど「個別クレジット」の滞納もブラックになる
クレジットカードやローンは利用したことがないのにブラックリストになっているという方は、スマホ本体(携帯電話本体)の分割払いなど「個別クレジット」の滞納が原因かもしれません。
iPhoneなどのスマホは端末代金が高額なため、毎月の通話料と合わせて分割払いにしているという方も多いと思いますが、本体を分割払い(割賦払い)にすると「個別信用購入あっせん契約」という扱いになり、信用情報機関にクレヒスが記録されます。
毎月きちんと支払っていれば問題はありませんが、もし滞納してしまうとカードやローンと同様にブラックになるので要注意です。
子供の名前で携帯電話を契約している場合、親が支払いを滞納すると子供がブラックになります。
スマホ以外にも、宝石・教材・エステ・英会話教室などの商品やサービスを分割払い(ローン)で購入すると「個別クレジット」となり、同様にクレヒスが記録されるので滞納にはくれぐれも気を付けてください。
ブラックリストにならない支払いの滞納
国民年金をはじめとする税金や健康保険料、公共料金などは滞納してもブラックリストにはなりません。これは、日本年金機構などの公共団体は信用情報機関の加盟会員になっておらず、クレヒスが記録されないためです。
- 国民年金
- 住民税
- 所得税
- 自動車税
- 固定資産税
- 健康保険料
- 家賃
- 公共料金(水道・ガス・電気・NHK)
- 新聞・雑誌の購読料
- プロバイダ料金
国民年金の他にも、住民税や所得税といった税金を滞納してもブラックリストにはなりません。
クレジットカード払いにしている時はブラックリストになる
例外として、上記の支払いでもカード払いにしていて滞納すると、カード会社は信用情報機関に加盟しているためクレジットカードの滞納と同様にブラックになるので気を付けてください。
ブラックにならないのは、あくまでも現金払いや口座引落しを利用していた場合です。
国民年金の滞納がローン審査に影響する恐れがある
国民年金を滞納してもクレジットカードの審査に影響はありませんが、住宅ローンや不動産担保ローンなどでは、審査の際に国民年金の滞納が原因で審査に通らない(ローンが組めない)ことも考えられます。
これは、業者によってはローン審査の際の必要書類として国民年金保険料の納税証明書を提出するケースがあるためです。
もし審査の際に国民年金保険料の未納が発覚するとローン審査で不利になってしまうので注意してください。
ローンの申し込みを控えていて国民年金保険料の未納がある場合、先に保険料を納付して未納を解消してからローンを申し込みましょう。
クレジットカードやローン審査は信用情報機関
クレジットカードやローンの入会審査では、信用情報機関の「クレジットヒストリー(クレヒス)」が審査のカギを握っていることをご存知ですか?
国内には「CIC」「JICC」「KSC」という3つの信用情報機関があり、カード会社などの加盟会員から収集したカードやローンの利用履歴であるクレヒスを記録しています。
CICとJICCというように、複数の信用情報機関に加盟しているカード会社もあり、信用情報機関同士で相互的な情報交換を行っているため、例えばA社のカードで滞納(延滞)などのトラブルを起こすと、B社の入会審査にも影響が出るので注意が必要です。
ブラックリストになるとどうなる?
クレジットカードやローンの審査に落ちた場合、審査落ちの原因として考えられるのが「ブラックリスト」です。
ブラックリストとは、クレヒスにトラブルの記録が残っている状態のことで、問題を起こした顧客をリスト化したものではありません。
カード会社や銀行などクレジットカードやローンを取り扱う企業は、審査の際に申込者の職業や年収といった「属性」や、過去にカードやローンを利用した際の支払い状況などをチェックして信用力や返済能力の調査を行います。
審査の際に過去に滞納(延滞)した記録や、自己破産などの金融事故を起こした記録が残っていると一定期間審査に通らなくなるのです。
- 61日以上または3か月以上の延滞:5年間ブラックリストになる
- 自己破産などの金融事故:10年間ブラックリストになる
例えば、延滞を起こして「異動」という記録が残っている場合は5年間、自己破産を起こした場合は10年間クレジットカードが作れなくなったり、ローンの審査に通らなくなる恐れがあるため注意してください。
5年や10年が経過してブラックが解消されても、カード会社やローン会社の独自データベースで「社内ブラック」と呼ばれる状態になっているケースがあり、同じ会社や系列会社では半永久的に審査に通らないこともあります。
ローンやクレジットカードの審査に落ちた理由と対策
ブラックではないのにローンやクレジットカードの審査に落ちた場合、考えられるのは以下のような理由です。
- 借り入れがある(キャッシングやカードローンなど)
- 多重申し込みをした(申し込みブラック)
- ゴールドカードなど審査難易度が高いカードを申し込んだ
- 申し込み条件を満たしていない
それぞれの原因と対策を見ていきましょう。
借り入れがある(キャッシングやカードローンなど)
クレジットカードのキャッシングやカードローンなどで借り入れがある場合、総量規制によって年収の3分の1以下に借り入れ制限が行われるため審査落ちのリスクが高まります。
借り入れを返済してから申し込んだり、新たに申し込むカードのキャッシング枠をなし(0円)にすると審査通過率をアップさせることが可能です。
多重申し込みをした(申し込みブラック)
短期間に複数のカードやローンを申し込むと、カードの現金化やキャンペーン目的での入会を疑われて審査落ちする場合があります。
1か月に3枚以上のカードを申し込むと「申し込みブラック」と呼ばれる状態になり、審査に通りにくくなるので1か月に申し込むカードは2枚までにとどめるのが無難です。
申し込みブラックになってしまったら、クレヒスから申し込み情報が消える半年間待って、改めて申し込みを行ってください。
ゴールドカードなど審査難易度が高いカードを申し込んだ
クレジットカード審査通過のコツは自分に合ったカードを選ぶことです。
ゴールドカードやプラチナカードのような「ステータスカード」と呼ばれる上位カードになると年齢制限があったり、安定継続収入が求められるなど収入面でもハードルが高くなります。
ゴールドカードが欲しくても審査基準に達していない場合は、まず一般カードを作ってクレヒスを積むとゴールドカードも作りやすくなるでしょう。
申し込み条件を満たしていない
申込むカード、カード会社によって審査基準は違いますが、以下の内容が一般的に基準とされてる内容になります。
- 18歳以上(高校生以外)
- 安定した収入がある
- 本人の属性(職業、勤務先、年収など)
クレジットカードの審査に落ちる要因としては各カード会社が定める「返済能力が基準を満たしていない」「信用情報に問題がある」「審査項目について虚偽の申告をした」など条件に合わない可能性が高いです。
基準は開示されることはないため審査落ちしてしまった方は審査基準の甘いクレジットカードを選びましょう。
クレヒスの開示を行うと自分がブラックか確認できる
信用情報がブラックでカードやローンの審査に通らないと考えられる時は、信用情報機関でクレヒスの開示を行うと良いでしょう。
CIC・JICC・KSCの各信用情報機関では、本人の申し込みより1,000円程度の手数料を支払えばクレヒスの照会ができるようになっています。
窓口のほか、インターネットでも手続きは可能で、その日のうちに結果も分かるので便利です。
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国民年金を滞納するとどうなる?
国民年金を滞納すると文書や電話、訪問などで納付を求められ、最終的には財産の差し押さえが行われるため要注意です。
督促状が届いてから国民年金保険料を支払うと年利14.6%の延滞金が発生するため、なるべく早い段階で支払ってください。
財産は家財道具(家具・電化製品)だけでなく、給与や銀行口座の差し押さえも行われるので、銀行口座を差し押さえられた場合はクレジットカードやローンの支払い(返済)が滞ってクレヒスに影響が出てきます。
国民年金保険料は、納付対象月の翌月末日が納付期限となり、納付期限までに保険料を納めなかった場合は障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取れない恐れがあるため、きちんと納付しましょう。
納付期限から2年以内であれば保険料の支払いは可能
国民年金保険料の納付期限を過ぎてしまった場合でも、納付期限から2年以内なら保険料を納めることができます。
2年を過ぎてしまうと時効となり保険料を納められなくなるので注意してください。
国民年金保険料を支払えない場合は猶予・免除制度を利用する
経済的な理由により、国民年金保険料を支払えない場合は保険料が猶予・免除となる制度を利用しましょう。
学生の場合は「学生納付特例制度」といって、本人所得が一定以下の学生は在学中の保険料が猶予される制度があります。
学生以外で国民年金保険料を支払えない場合、所得が一定額以下という条件はありますが、所得に応じて保険料が免除される「保険料免除制度」や、50歳未満なら猶予が受けられる「保険料納付猶予制度」を利用しましょう。
年金未納率「2割」に惑わされるのは危険
新聞やニュースで目にする「年金未納率は2割」という報道に惑わされるのは危険です。
厚生労働省の調査によると、令和3年度の国民年金の納付率は78.0%となっており未納者は22.0%と思わせてしまいます。ですが、ここに全額免除者や納付猶予者を含めると未納率が一気に下がり、およそ1.6%まで下がります。
厚生労働省の資料によると、公的保険制度全体の加入者から24か月未納の「未納者」と、公的保険制度に加入していない「未加入者」を合わせた数字はわずか1.6%となっていて、残りの98%近くの人は保険料を納付している計算になります。
なぜ未納率(納付率)に違いが出てくるかというと、データによって計算対象に違いがあるためです。
- Aのデータの年金未納率:22.0%
- Bのデータの年金未納率:1.6%
例えば、会社員の給与から保険料が天引きされる第2号被保険者・第3号被保険者の厚生年金を含めたデータでは自ずと未納率は下がり、厚生年金に加入していない第1号被保険者の割合が増えるデータでは口座引落しや振込票を用いた支払いとなり、何らかの理由で引き落としや支払いができないケースもあるため未納率も上がります。
金融商品や保険を売り込むには「年金は近い将来に破綻する」などと年金への不安をあおった方が好都合なため、未納率が高いデータを営業用の資料として提供することもあるので注意しましょう。
審査が不安な人におすすめのカード
Tポイントが貯まりETCカードも作れる「Tカードプラス(SMBCモビットnext)」
Tカード プラス(SMBCモビットnext)
カードの特徴
SMBCモビットと三井住友カードが提携する年会費無料カード。独自の審査基準を設けている「消費者金融系カード」のため、クレジットヒストリー(過去の支払い実績)よりも現在の収入を重視される。
おすすめポイント
- 独自の審査基準を設ける「消費者金融系カード」
- 年会費永年無料でTポイントが貯まる
- ETCカードや電子マネー(スマホ決済)も利用可能
独自の審査基準を設ける「消費者金融系カード」
一般的なカード会社は収入の高さや良いクレヒスを評価して審査を行いますが、消費者金融系カードは現在の支払い能力を重視した審査を行ってくれます。
「クレジットヒストリーが怪しいかも」「滞納した経験がある」などの理由で欲しかったクレジットカードの審査に通らなかった方でも発行できる可能性が高いです。
数か月~数年使うことで「支払い履歴」をクリーンにしてから好きなカードに再度申し込むのが良いでしょう。
年会費永年無料でTポイントが貯まる
「Tカードプラス(SMBCモビットnext)」は、持っている間ずっと年会費がかからない「年会費永年無料」のカードです。
維持費がかからず、ショッピング利用200円につき1円分のTポイントが貯まり、貯まったTポイントはTSUTAYAやファミリーマートなどの提携先で利用することができます。
消費者金融系カードとして比較されることの多い「ACマスターカード」は0.25%のキャッシュバックこそありますが、ポイントは貯まらないのでポイントを貯めたい方にはTカードプラス(SMBCモビットnext)がおすすめです。
ETCカードや電子マネー(スマホ決済)も利用可能
「ACマスターカード」では発行できないETCカードが発行できる点や、電子マネーの「iD」やiPhoneひとつで買い物ができるスマホ決済の「Apple Pay」が利用可能な点も「Tカードプラス(SMBCモビットnext)」だけのメリットです。
ETCカードは初年度年会費無料・翌年度以降も前年にETC利用があれば通常税込550円のところ年会費無料で持つことができます。