クレジットカードを作る際には、海外旅行に行く時のことを考えて選ぶのがおすすめです。
クレジットカードには海外旅行保険が付いたものもあり、キャッシュレス決済が普及した海外では必須アイテムとなっています。
そこで今回は、海外旅行でクレジットカードが必須とされる理由を解説しながら、初めての海外旅行で持っておきたいおすすめクレジットカードをご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
海外旅行でクレジットカードが必要な理由とは?
現金の持ち歩きより盗難リスクを減らせる
海外旅行にクレジットカードが必須と言われる理由のひとつが、盗難リスクを減らせるという点です。
治安の悪い地域も多い海外では、多額の現金を持ち歩くのは盗難のリスクが伴います。
現金であれば盗まれてしまえば終わりですが、クレジットカードならカード会社の盗難保険が付帯しているので、万が一盗難の被害に遭っても届出日から60日程度さかのぼって損害を補償してくれるため安心です。
例えば三井住友カードの場合、紛失・盗難受付デスクは海外を含めて365日24時間対応で、現地に暫定的な緊急カードを届けてくれるサービスと、現地通貨を用立てしてくれる緊急キャッシュサービスもあります。
海外旅行の際には、あらかじめスマホにカード会社の紛失・盗難受付デスクの電話番号を登録しておくとすぐに電話をかけられるので便利です。
キャッシング機能で現地通貨を引き出せる
クレジットカードのキャッシング機能を使えば、両替所の列に並ぶことなく街角のATMで現地通貨を引き出せるのもメリットです。
カードには、買い物に利用できる「ショッピング枠」のほかに、お金を借りられる「キャッシング枠」があり、キャッシング枠の付いたカードなら両替所より割安な手数料と有利なレートで現地通貨を引き出すことができます。
金利手数料やATM手数料はかかりますが、両替所が閉まっている深夜や早朝の時間帯でも街角のATMなら使える場合もあるので利便性も高いのが魅力です。
現地通貨で支払うよりカード払いの手数料の方が安い
現地通貨での現金払いよりも、カード払いの方が結局はお得です。
海外でクレジットカードを利用すると「為替手数料」という円貨に換算する際の手数料が発生しますが、現地通貨の両替手数料より安く利用できます。
例えば、ドルやユーロに両替する場合、銀行や両替所を利用するとおよそ2.5%~3.0%程度の手数料が発生しますが、カードの為替手数料は1.6%~2.0%のため、カード払いの方が有利です。
現地通貨に両替した場合、使いきれなかった現地通貨を日本円に両替する必要が出てきますが、この時にも両替手数料は発生してしまうので、海外ではなるべく現金は使わない方が節約できます。
異なる国際ブランドのカードを2枚持ちするのがおすすめ
海外旅行にクレジットカードを持って行く時は、異なる国際ブランドのカードを1枚ずつ持って行くと便利です。
ほとんどのクレジットカードには国際ブランドのロゴマークが付いていて、世界中にある加盟店でカードを利用することができます。
現在、日本で発行できるカードの国際ブランドは以下の通りです。
- VISA
- MasterCard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- 銀聯(ぎんれん)
選択する国際ブランドによって使える国や地域が異なります。
例えば、VISAは世界シェアNo.1のため世界を幅広くカバーしていて、次いでシェアNo.2のMasterCardならヨーロッパの国で使いやすいのが特徴です。
JCBは日本唯一の国際ブランドのため国内の加盟店数が多く、American ExpressはJCBの一部加盟店でも利用できます。
Diners Clubはステータスカードとしても人気があり、銀聯カードは中国で強みを持つカードです。
海外旅行の際には、VISAとMasterCardのように、メインカードとサブカードで異なるブランドのカードを2枚持っているとより多くの場所で使うことができ、別々に携帯しておけばカードの紛失・盗難のリスクも減らせます。
例外として、コスモ石油の「コスモ・ザ・カード」のように、特定のお店でしか使えない「ハウスカード」も存在するので気を付けてください。
海外旅行傷害保険が付帯している
クレジットカードの中には、特別な加入手続きを必要としない海外旅行傷害保険が付いたカードがあります。
海外は救急車を呼ぶのも有料で、ちょっとした病気でも入院・治療費が高額になりやすい海外では旅行保険への加入が必須です。
カードの付帯サービスとして旅行中のケガや病気の際に保険金が支払われる海外旅行傷害保険は、利用条件がなくカードを持っているだけで適用される「自動付帯」の保険と、出発前に空港までの交通費やツアー代金などの旅費をカード決済する必要がある「利用付帯」の2種類の保険があるため注意が必要です。
自動付帯の保険でも、カードでの旅費の支払い有無によって最高補償額が変わってくるカードもあります。
旅行保険付きのカードを選ぶ時は、自動付帯と利用付帯の違いに気を付けて、利用頻度が高い病気やケガの補償が充実したカードを選びましょう。
キャッシュレス診療に対応した旅行保険付きカードなら、手持ちの現金がなくても診察を受けられ、家族特約が付いたカードなら家族も補償されます。
必ずしもカードを携帯しておく義務はありませんが、診察の際にカード番号が必要となる場合もあるため、できれば持っておきましょう。
2枚以上保険付きのカードがあれば保険金の合算や補償期間の延長ができる
2枚以上同種の保険が付いたカードを持っている場合や、他の傷害保険に加入していれば、保険金の合算や補償期間の延長が可能です。
カード付帯の旅行保険は、カード会社が異なれば合算できます。
傷害死亡・後遺障害の項目は合算できず最も高い補償額が適用されますが、傷害治療や賠償責任など傷害死亡・後遺障害以外の項目は合算して、実際にかかった金額または上限額まで補償が受けられるのが特徴です。
旅行保険が利用付帯のカードでも合算はできますが、利用付帯の場合はカードで旅費を支払う必要があるため、複数枚のカードでツアー代金・交通費というように旅費を分けて支払うのは難しいでしょう。
ところが、この利用付帯のシステムを利用して旅行保険の補償期間を延長することができます。
通常、一般的な補償期間は3か月ですが、三井住友カードのように「出国後に公共交通乗用具の利用代金を初めて決済した場合」に保険が有効になるカードを持っていれば、最初の保険が切れる頃に2枚目のカードで利用条件を満たすと、そこから約3か月間延長することが可能です。
ただし、楽天カードのように利用付帯の保険でも出国前の利用が条件となっているケースもあるので、利用前に保険が適用される条件をよく確認しておいてください。
2枚以上のカードで保険金を合算するなら「自動付帯」のカードを使って、補償期間を延長するなら2枚目のカードは「利用付帯」の必要があります。
海外ではクレジットカードが身分証の役割を果たす
入会時に与信調査が行われるクレジットカードは、海外では身分証の役割も果たしています。
海外旅行ではホテルにチェックインする際や、レンタカーを借りる際にデポジットという保証金を支払うケースがあり、クレジットカードの提示があれば保証金を支払わなくても良いのが一般的です。
保証金はチェックアウトの際に返金されますが、帰国が迫った時に現地通貨で返金されても使い道が限られるため、カードの提示で済ませた方が良いでしょう。
海外旅行に便利な特典が利用できる
カードによっては、海外旅行の際に便利な特典やサービスが利用可能です。
例えば、手荷物の無料宅配サービスが利用できたり、ゴールドカードなどのステータスカードになると空港ラウンジが利用できるカードもあるため、出発前もリラックスして過ごせます。
旅行の手配や現地情報の案内が利用できるカードもあるので、使い方や利用シーンに応じてカードを選ぶのがおすすめです。
海外ショッピング利用分はショッピング保険が付いたり、ポイント還元率がアップするカードもあるため、現金払いにはないメリットを享受できるのがクレジットカードの特徴となっています。
海外旅行におすすめのクレジットカード
ここでは、海外旅行におすすめのクレジットカードを4枚ピックアップしてご紹介していきます。
まずは各カードの特徴やスペックを比較してみましょう。
楽天プレミアムカード | エポスカード | REXカード | |
---|---|---|---|
年会費 | 11,000円(税込) | 無料 | 無料 |
ポイント還元率 | 1.0% | 0.5% | 1.25% |
国際ブランド | VISA・MasterCard・JCB・American Express | VISA | VISA・MasterCard |
空港ラウンジ | 〇 (国内・海外) |
× | × |
旅行保険 | 海外旅行保険(自動付帯/最高5,000万円) 国内旅行傷害保険(自動付帯/最高5,000万円) |
海外旅行保険(自動付帯/最高500万円) | 海外旅行保険(自動付帯/最高2,000万円) 国内旅行保険(利用付帯/最高1,000万円) |
この中で、最も保険の補償額が充実しているのは「楽天プレミアムカード」です。
4枚のカードでは唯一、空港ラウンジも利用できますが年会費はやや割高です。
「エポスカード」と「REXカード」はともに年会費無料で持てるので、クレジットカードの維持費が気になる方にもぴったりです。
楽天プレミアムカード
楽天プレミアムカード
カードの特徴
楽天プレミアムカードは、楽天カードが発行するクレジットカードで、ポイントが貯まりやすいことで人気の楽天カードの上位カード(ゴールドカード)
発行会社 | 楽天カード | ポイント還元率 | 1.0% |
---|---|---|---|
年会費 | 11,000円(税込) | 付帯保険 | 海外旅行傷害保険最高5,000万円(自動付帯分最高4,000万円) 国内旅行傷害保険最高5,000万円(利用付帯) |
電子マネー | 楽天Edy | ポイント | 楽天ポイント |
楽天プレミアムカードは、空港ラウンジ・トラベルデスク・保険と海外旅行に嬉しい特典を備えたカードです。年会費は11,000円(税込)、通常ポイント還元率は1.0%、楽天市場なら5倍に。
国内空港ラウンジサービスはもちろん、世界120か国・900か所以上の海外空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」という会員制サービスの上位ランクであるプレステージ会員同等のサービスを無料で利用でき、世界38拠点にあるトラベルデスクでは観光情報の案内や各種手配が可能。
自動付帯の海外旅行保険は最高5,000万円補償(自動付帯4,000万円+利用条件1,000万円の合計額)、疾病・傷害治療費は300万円まで補償が受けられます。
国内旅行保険も自動付帯で最高5,000万円補償・ショッピング補償も300万円まで補償があり安心です。
3つの優待サービスから「トラベルコース」を選ぶと、楽天トラベルがポイント+最大1倍・手荷物宅配・国内宿泊優待が受けられます。
エポスカード
エポスカード
カードの特徴
年に4回ある「マルコとマルオの7日間」というキャンペーンでマルイでのショッピングが10%OFFで利用できたり、SHIDAXやBIGECHOなどのカラオケ店で30%OFFになったりと、日常生活でお得に利用できるカード
エポスカードは、年会費無料カードでは珍しい「自動付帯」の海外旅行保険が付いたカードです。
ポイント還元率は0.5%、マルイで年に4回、10%の優待セールがあるほか、レジャー施設やカラオケ・飲食店・ネイルサロンなど様々なお店や施設で割引や優待・ポイントアップのサービスが受けられます。
ネットショッピングも「たまるマーケット」というポイントサイトを経由するとポイントが最大30倍に。
海外旅行保険は自動付帯で、傷害死亡・後遺障害の項目こそ最高500万円ですが、疾病治療費用は270万円・傷害治療費用も200万円に加えて20万円の携行品損害も付く手厚い補償のため、保険金を合算するためのサブカードとしても優秀です。
「エポトクプラザ」では旅行予約のポイントが3~10倍となり、ホテルが最大半額になる特典もあります。
最短即日発行に対応していて申し込んだその日のうちに店頭でカードが受け取れるのもエポスカードのメリットといえるでしょう。
ただし、旅行保険が適用されるのはカード加入日(発行日)の翌日以降に日本を出発する旅行に限られるので注意しましょう。
REXカード
Delight JACCS CARD(旧:REXカード)
カードの特徴
価格.comと提携している高還元率&年会費無料カード。通常時1.25%のポイント還元率は、JACCSモール経由でのショッピングで還元率1.75%までアップ
発行会社 | ジャックス(提携:株式会社カカクコム) | ポイント還元率 | 1% |
---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 付帯保険 | 海外旅行傷害保険 最高2,000万円(自動付帯) 国内旅行傷害保険 最高1,000万円(利用付帯) |
電子マネー | - | ポイント | Delight POINT |
REXカードは、年会費無料のポイント高還元カードです。
通常ポイント還元率は1.25%、JACCSモール経由のネットショッピングは1.75%~最大13.25%還元となり、価格.comの「安心支払いサービス」利用時は1.50%還元に。
海外旅行保険は「自動付帯」で最高2,000万円補償、疾病・傷害治療費は200万円まで補償があります。
国内旅行保険は利用付帯で最高1,000万円補償となり、年会費無料カードながら手厚い補償が魅力。
旅行保険は他のカードと合算できるので、2枚目のサブカードとしてもおすすめです。
ホテルや旅館・レジャー施設・パッケージツアーの割引があるほか、海外レストランのWEB予約も可能。
国際ブランドでMasterCardを選ぶと「食べログ Mastercard proceless DINING」でウェルカムドリンク・デザート・最大15%割引のうち、いずれかのサービスが無料で受けられます。