ETCカードの利用履歴はインターネットの「ETC利用照会サービス」で確認することができます。
ETC利用照会サービスでは、クレジットカードの明細よりも詳細な利用履歴が確認できるので便利です。
そこで今回は、ETC利用照会サービスの使い方や登録方法を初めての方にも分かりやすく解説していきます。
目次
「ETC利用照会サービス」とは?
ETC利用照会サービスとは、ETCの利用記録をインターネットで確認・印刷できるサービスです。
パソコン用のホームページのため、スマートフォンやアプリには対応していません。
ETC利用照会サービスは、このように3種類のETCカードで利用できます。
- クレジットカード会社が発行する「ETCカード」(法人向けカード含む)
- 高速道路会社が発行する「ETCパーソナルカード」
- 大口向け「ETCコーポレートカード」
ETC利用照会サービスでは、以下のサービスを利用できます。
- 利用明細(利用履歴)の確認
- 利用明細(利用履歴)のダウンロード・印刷
- 利用証明書の確認
- 利用証明書のダウンロード・印刷
サービスでは過去15か月分(ETCコーポレートカードは過去62日間)の利用明細と利用証明書をパソコンから見ることができ、利用明細・利用証明書のダウンロードや印刷もできます。
クレジットカードの明細は支払い日が迫らないと届きませんが、ETC利用照会サービスであれば、早ければ通行後4時間~5時間程度で利用履歴に反映されるので、明細が届く前に利用履歴を確認したい時にもぴったりのサービスです。
ETCカードにETCの利用記録が残る
ETCカードにはETCの利用記録が残るため、過去の利用履歴を見ることができます。
よく「ETC利用で浮気がバレる」といわれるのは、利用時にETCカードに走行履歴が残るためです。
ETC利用照会サービスの退会であればできますが、ETCカードの記録(情報)を削除することはできません。
ただし、ETC利用照会サービスでチェックできるのは15か月分(ETCコーポレートカードは過去62日分)の履歴だけとなっているので、記録される期間を過ぎると古いデータから順番に削除されていきます。
ETC利用照会サービスの使い方(登録方法)
事前準備
ETC利用照会サービスを利用するには、まず最初に無料の会員登録を行う必要があります。
登録には以下の情報が必要となるので、スムーズに入力できるように予め控えておいてください。
- メールアドレス
- ETCカード番号
- 登録に使用するETCカードの利用年月日
- ETC無線通行に使用した車載器管理番号
- 車両番号(ナンバープレートの4ケタの番号)
登録を行うには、過去15か月以内(ETCコーポレートの場合は過去62日以内)にETCの無線通行を利用した記録が残っている必要があるので、ETCの無線通行を利用していない場合はETC無線通行を利用してから登録しなければいけません。
ETC無線通行を利用した年月日が必要となり、車載器の故障やETCレーンの閉鎖によってETCカードを手渡し精算した場合は無線通行ではないため対象外です。
無線通行の記録はカードに残っているため、レンタカーなど別の車の車載器を利用した場合でも問題はありません。
車載器管理番号とは、車載器に付けられた19ケタの番号のことで、ETCカードを利用していて「ETCマイレージサービス」に登録している場合は番号を引用して入力することができます。
ETCマイレージサービスに登録していない場合や、登録している車載器とは別の車載器をETC利用照会サービスに登録したい場合は、以下の場所に記載されている車載器管理番号を確認してください。
- 車載器の取扱説明書や保証書・外箱
- セットアップ申込書・証明書(お客様控え)
- 車載器本体
- 車載器搭載の音声または表示機能(一部機種のみ)
車載器管理番号が分からない場合は、車載器を購入(セットアップ)したお店に問い合わせる方法があります。
この場合は本人確認が行われるので、運転免許証と車検証が必要です。
車載器管理番号は自分が所有している車である必要はないので、車を所有していない場合はレンタカーやカーシェアリングの車に設置されている車載器の管理番号でも登録できます。
レンタカーやカーシェアリングの車載器管理番号が分からない場合は業者に問い合わせましょう。
ETC利用照会サービスの登録方法
「ETC利用照会サービス」の公式サイトにある「新規登録(はじめに)」のページから会員登録の仮登録を行います。
注意事項を確認の上、画面下にある「次へ」から利用規程のページに進み「同意する」からメールアドレスの入力と画像認証を行ってください。
すると、メールが送られてくるので記載されているアドレスから本登録用のページに移り、必要事項を入力して本登録を行います。
本登録の際に入力が求められるのは以下の情報です。
- ID
- パスワード
- ETCカード番号
- 登録に使用するETCカードの利用年月日
- ETC無線通行に使用した車載器管理番号
- 車両番号(ナンバープレートの4ケタの番号)
- 秘密の質問と答え
本登録の完了後、初期データ設定のため利用明細の確認まで4時間程度待つ必要があります。
また、ETCを利用した後にデータが反映されるまでに4時間~1日程度の時間がかかるので注意しましょう。
例えば、NEXCO東日本を利用した場合は4時間~5時間程度で反映されますが、栃木県道路公社を利用した場合は通行日の翌日午前中となり、最長で1日程度かかります。
複数枚のETCカードを登録する方法
ETC利用照会サービスでは、ひとつのIDにつきETCカードを10枚まで登録ができます。
10枚以上のETCカードを登録したい場合は、新たに会員登録を行ってIDを作成してください。
本登録を行った後にログインして「カードの追加登録/削除」からETCカードの追加登録ができます。
追加登録するカードでもETCの無線通行を利用しておく必要があるので注意しましょう。
1台の車を家族で共有している場合などは、ETCカードごとにユーザー登録を行うこともできます。
「ETC利用照会サービス」での利用明細確認方法
「ETC利用照会サービス」のトップページ上部にある「ログイン」からユーザーIDとパスワードを入力してログインを行います。
すると「利用明細の表示」で明細の確認が可能です。
ETC利用照会サービスでは、以下のようなETC利用明細の検索ができます。
- 利用年月日
- 走行区分(無線走行・手渡しなど)
- 車両番号(ETC無線走行のみ)
- 月の区切り日(月末または20日区切り)
- 表示件数
- 検索対象のETCカード番号
例えば、〇月〇日に友人との旅行で利用した際の明細(履歴)を確認したいといった場合に便利な機能です。
月の区切り日を「月末」にすると1日~末日分の明細が当月分として表示され、20日区切りにすると前月21日~当月20日分が表示されます。
レンタカーでも利用明細の確認が可能
ETC利用照会サービスの本登録が完了しているETCカードを使った走行なら、レンタカーなど自分が所有している車以外で利用したETCの利用明細も確認できます。
例えば、自分が所有している車の車載器管理番号を使って登録したETCカードでレンタカーを利用した場合でも利用明細の確認が可能です。
明細の確認はIDとパスワードによるログインのみで行えるので、レンタカーを借りる度に車載器管理番号を控えて入力する必要はありません。
ETC利用明細のダウンロード方法
ETC利用明細はPDFファイルまたはCSVファイル形式でダウンロードができます。
PDF形式は紙への印刷(プリントアウト)に適していて、CSV形式ならExcelへの取り込みが可能なため、経費の管理にも便利です。
PDFファイルの場合は一度に500件までダウンロードができ、1枚の用紙に15件の明細が表示されます。
CSVファイルの場合は一度に5,000件までダウンロードできるので用途によってファイル形式を選ぶと便利です。
明細を表示する際には、利用年月日などの条件を指定して抽出することもでき、チェックマークを付けた走行だけをダウンロードすることもできます。
「利用明細PDF出力」もしくは「利用明細CSV出力」からETC利用明細をダウンロードしてください。
ETC利用明細の印刷方法
ETC利用明細は、以下の方法で印刷することができます。
- 自宅などのプリンターで印刷
- コンビニで印刷(コンビニプリント)
- ETC利用履歴発行プリンターで印刷
自宅などのプリンターで印刷
最も手軽なのは、自宅などにあるプリンターで印刷する方法です。
PDFファイル形式でダウンロードした明細書のファイルを開き、画面右上に表示されるプリンターのマークをクリックすると印刷ができます。
コンビニで印刷(コンビニプリント)
コンビニプリント(有料)を利用する場合は、コンビニのネットプリントのホームページから事前にユーザー登録を行い、ETC利用照会サービスでダウンロードした明細書のPDFファイルを登録(予約番号を取得)後に、コンビニのマルチコピー機を操作して印刷してください。
ローソンの「ネットワークプリントサービス」やセブン-イレブンの「ネットプリント」など、名称は違ってもほとんどのコンビニがプリントサービスに対応しています。
例えば、セブン-イレブンのネットプリントの場合、A4の白黒印刷の料金は1枚20円~、カラー印刷の料金は1枚60円~となっています。
ETC利用履歴発行プリンターで印刷
ETC利用履歴発行プリンターは、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、一部のカー用品店(オートバックスなど)高速道路会社の営業所といった場所に設置されていて、ETCカードを挿入すると無料で明細書を印刷することができます。
利用証明書の印刷方法
ETC利用照会サービスでは、PDF形式のETC利用証明書を発行(印刷)することができます。
- 自宅などのプリンターで印刷
- コンビニで印刷(コンビニプリント)
通常、ETCの無線通行では料金所で利用証明書をもらえませんが、利用証明書が必要な場合に便利なサービスです。
発行した利用証明書の取扱番号を入力して走行明細を確認することもできます。
利用証明書は、ログイン後に利用明細を表示させて、ページ下部にある「利用証明書発行」から利用証明書(PDFファイル)を表示させて、画面右上にあるプリンターのマークから印刷を行ってください。
印刷できる回数に制限はないので、もし印刷を失敗してしまっても大丈夫です。
明細書と同様に、コンビニのマルチコピー機を使ったコンビニプリントにも対応しています。
ETCの利用証明書は領収書となる?
ETC利用照会サービスの公式サイトでは、現金授受の証明である領収書は道路事業者が発行するものではないため、カード会社の明細請求書等が利用者にとっての正式な領収書になると記載されていますが、阪神高速の公式サイトによると、ETCの利用証明書等は税務上の証憑として取り扱いが可能とされています。
このため、ETC利用照会サービスで印刷した利用証明書が正式な領収書として利用できるかどうかは、税務署や領収書を必要とする企業などに確認をとってください。