ETCカードは、クレジットカードを発行するときに追加カードとして発行することが一般的ですが、クレジットカードの審査に不安がある方や、現金主義でクレジットカードを作りたくないという方もいるのではないでしょうか。
そういう方には、審査なしでETCシステムを利用することのできる「ETCパーソナルカード」というものがあります。
ここでは、ETCパーソナルカードとはどういうカードなのかや、申し込み方法、メリット・デメリットについて解説していきます。
目次
ETCパーソナルカードとは?
「ETCパーソナルカード」とは、クレジットカードが作れない方や作りたくない方でもETCカードを利用できるように、「東日本高速道路株式会社」、「中日本高速道路株式会社」、「西日本高速道路株式会社」、「首都高速道路株式会社」、「阪神高速道路株式会社」、「本州四国連絡高速道路株式会社」の高速道路6社が共同で発行しているETCカードのことです。※有料道路の支払いにのみ利用可能
年会費とデポジット(保証金)を支払うことで発行できて、一般的なETCカードと同様に利用することができます。
利用した高速道路代金は、1ヶ月単位で利用月の翌月27日に指定した銀行口座より自動振替される仕組みになっています。口座振替の前には前月分の利用明細も発行され、自動振替が完了した翌月には領収書も郵送されます。
ETCパーソナルカードの申し込み方法
ETCパーソナルカードの申し込み方法は以下です。
(1)申込書を作成する
ETCパーソナルカードWEBサービスの “ETCパソカ申込書作成”のページから必須事項をすべて埋めて申込書を作成します。
申込書にはデポジット額を決める項目があるので、予め決めておきましょう。また、カード利用額の引き落とし口座もここで入力します。
WEBサービスで申込書を作る場合にはプリンターとA4サイズの用紙が必要になります。
プリンターが家にない場合には郵送で紙の申込書を取り寄せる方法か、コンビニのネットプリントサービスで申込書を印刷することもできます。また、インフォメーションのあるサービスエリアなどでも申込書が配布されており、その場合は封筒がついてくるため郵送料はかかりません。
紙の申請書を取り寄せる方法
ETCパーソナルカード事務局か、各道路会社のお客様センターに電話を電話かけることで申込書を郵送で送ってもらうことができます。
平日9:00-17:00 土日祝・年末年始は除く
コンビニのネットプリントを利用する方法
ETCカードWEBサービスで作成したPDFファイルの申込書をコンビニのネットプリントサービスで印刷する方法です。
ローソンやセブンイレブンなどほとんどのコンビニでネットプリントサービスが利用できますが、コンビニによって利用できるサービスが違うので事前に最寄りのコンビニで利用できるか確認しておきましょう。
(2)事務局に申込書を郵送する
作成して印刷した申込書と本人確認書類等の必要書類を同封してETCパーソナルカード事務局宛に郵送します。
入力フォームで申込書を作成した場合は郵送用の封筒キットも印刷が可能です。お手持ちの封筒で送る場合には郵便番号の宛名のみの記入で事務局に届きます。また、送料は申込者負担になります。
ETCパーソナル事務局 宛
本人確認書類
ETCパーソナルカードでは、ETC利用に特化したサービスのため本人確認書類は原則、運転免許証に限定されています。
本人確認書類として運転免許証のコピーが必要になりますが、住所変更している場合は両面のコピーが必要になります。
(マイナンバーの記載がある書類は送付不可)。
運転免許証以外に本人確認書類が必要な場合もあります。
- 【申込者本人が未成年の場合】親権者の同意と親権者の本人確認書類(続柄明記の住民票の写し等)
- 引越しなどで住所変更があったが、やむを得ない事情で運転免許証の住所変更ができない場合は現住所が確認できる電気料金、もしくは水道料金の請求書のコピー(発行日から6ヶ月以内、本人名義のみ)
- 【法人の場合】発行日から6ヶ月以内の法人登記簿謄本または抄本(コピー可)
- 【外国人の場合】申し込み住所と同じ住所が記載された在留カードまたは特別永住者証明書(コピー可)
※申込名や銀行口座が通称名の場合は通称名の記載された住民票(コピー可)
また、重度の障がい者の方もしくは重度の知的障がい者の方で、障がい者本人以外の方の運転で「有料道路における障がい者割引制度」を利用する場合は別途運転免許証以外の本人確認書類が必要になるためETCパーソナルカード事務局に問い合わせが必要になります。
デポジット(保証金)の振り込み
申込書と本人確認書類を郵送すると、後日ETCパーソナルカード事務局より申込みの際に選んだ金額でデポジット振込用の払込取扱票が郵送で届きます。
デポジット金額が28万円以下の場合はコンビニ払い専用払込用紙、30万円以上の場合はゆうちょ銀行専用払込用紙が届きます。
郵便局かコンビニ支払いを済ませると、2週間程度でカードETCパーソナルカードが到着します。
ETCパーソナルカードのメリット
ETCパーソナルカードを作ることで得られるメリットをご紹介します。
ETCカードと同じように利用できる
ETCパーソナルカードは、利用代金に対してポイントが貯まるETCマイレージサービス(別途登録必要)や、休日割引や深夜割引などもクレジットカード会社が発行するETCカードと同様の割引が受けられます。
通常クレジットカードが作れない場合はETCカードも作れないということになるので、割引などを受けることができず通常料金での利用となってしまいますが、ETCパーソナルカードを持つことで、ETCカードを持っているのと同じ条件で高速道路を利用できるようになります。
ブラックでも審査なしで作ることができる
ETCパーソナルカードの最大のメリットは審査なしで作れるということです。
先ほどもご説明した通り有料道路の支払いのみの利用になるため、お買い物や公共料金などの支払いはできませんが、クレジットカードのようにお買い物で使いすぎてしまう心配もなく、過去に支払いの遅延や自己破産などをしてしまいブラック状態でクレジットカードを持つことができない人でも作れるのもメリットです。
ETCパーソナルカードのデメリット
ETCパーソナルカードは審査なしで作れるのがメリットですが、デメリットもあります。
高額なデポジット(保証金)が必要
ETCパーソナルカードを利用するには、高額なデポジット(保証金)を預ける必要があります。
あくまでも保証金なので、カードを解約すると戻ってくるお金ではありますが、数万円単位の金額になるため、負担が大きいことがデメリットとなります。
デポジットは平均利用金額の4倍
ETCパーソナルカードでは、高速道路代金の平均利用月額の4倍の額をデポジットとして預ける必要があります。
例えば、利用金額が5,000円未満の利用では5,000円として計上されるため、最低でも20,000円のデポジット預ける必要があります。
注意しなければならないのは、デポジットは保証金でありプリペイドではないため、預けている金額分だけカードが利用できるということではありません。カードの限度額はデポジットしている金額の80%までとなっています。
▼デポジット金額の計算の仕方▼
平均利用月額 | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 | 20,000円 |
---|---|---|---|---|
デポジット額 | 20,000円 | 40,000円 | 60,000円 | 80,000円 |
さらに、ETCパーソナルカード公式には
"デポジット20,000円のお客様におかれましては、ETCパーソナルカード利用規約第14条第4項の定めにより、未決済残高がデポジットの一定割合(70%)に達した時点で登録口座から口座振替により増額デポジット20,000円を預託いただきます。"
という注意事項があり、デポジット20,000円で月に14,000円以上の高速代金を利用することがあった場合には追加で20,000円の増額デポジットが必要ということになります。増額分のデポジットは14,000円に達した日以降の、6日または23日に口座振替されます。
(デポジットの増額はデポジットが20,000円の人のみ)
年会費がかかる
ETCパーソナルカードは、デポジット(保証金)とは別で毎年1,257円(税込)の年会費を支払う必要があります。
クレジットカード会社の発行するETCカードの場合は、利用することで実質無料として利用できるものがほとんどですが、ETCパーソナルカードは年会費が割引になるなどの条件はなく、毎年年会費がかかるのもデメリットです。
ETCパーソナルカード利用時の注意点
ETCパーソナルカードは以下の点に注意しなければ利用停止となってしまいます。
- 支払い前の利用金額の合計がデポジットの80%を超える場合
- 利用金額が支払い期日に引き落とされなかった場合
- デポジットの増額依頼に応じなかった場合
- デポジット20,000円の方が、増額分のデポジットを口座振替できなかった場合
利用代金や増額分のデポジットについてなど、支払いについては非常にシビアです。利用停止となってしまった場合、ETCパーソナルカードを利用しようと思ってもETCレーンの開閉バーが開かないようになるため、現金などの別の支払い方法で支払いをする必要があります。
紛失や盗難の場合は事務局に連絡
最低でも20,000円のデポジット(保証金)が入ったETCパーソナルカードですが、万が一紛失してしまった場合は不正利用されないためにもすぐにETCパーソナルカード事務局に電話をして利用停止手続きをしましょう。
家族カードなら審査なしでETCカードを作ることも可能
家族がクレジットカードを持っている場合は家族カードを作ってETCカードを発行する方法もあります。
家族カードの場合は、クレジットカードを持っている家族の信用情報で審査されているためカードが作れない人でも審査なしで発行することが可能です。
家族カードの場合では、利用明細もすべてまとまって請求されることになります。ETCカードの利用料金もまとめてカード会員の家族が設定している口座で引き落としされてしまうため、予め利用する金額などについて話し合っておく必要があります。
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カードの特徴
SMBCモビットと三井住友カードが提携する年会費無料カード。独自の審査基準を設けている「消費者金融系カード」のため、クレジットヒストリー(過去の支払い実績)よりも現在の収入を重視される。
発行会社 | 株式会社SMBCモビット | ポイント還元率 | 0.5% |
---|---|---|---|
年会費 | 永年無料 | 申し込み条件 | 年齢満18歳以上で定期収入のある方 |
ETCカード年会費 | 初年度無料(2年目以降、年に1度でもETC利用があれば税込550円が無料) | ポイント | Tポイント |
ETCパーソナルカードは高いデポジット(保証金)が必要になってくる上、ポイントも貯まらないので基本的にはクレジットカードを作ってETCカードを発行するのがおすすめです。
中でも「Tカード プラス(SMBCモビットnext)」をおすすめします。
Tカード プラス(SMBCモビットnext)は、SMBCモビットと三井住友カードが提携した年会費無料のカードです。
一般的なクレジットカードは過去の支払い実績や現在の職業などからお金に困っていない人を評価しているのに対し、お金に困っている人を対象にして発行している「消費者金融系カード」に含まれます。
消費者金融系カードには「ACマスターカード」というカードもありますが、ACマスターカードはETCカードを発行できないカードのため、Tカード プラス(SMBCモビットnext)はETCカード発行可能な唯一の消費者金融系カードということになります。