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知恵を共有するコミュニティ「untickle」 野村千代さんインタビュー

公開日: : 最終更新日:2015/05/17

みなさんは、アトピー性皮膚炎の友人や家族はいますか?

着るものや食べるもの、ストレスとなる環境などの全てが症状に影響しうるアトピーはそれゆえにネットで見る対策も膨大に思えます。友人や家族がアトピーであれば、体質的に合う治療法を見つけるために患者さんとともに苦労している方も多いかと思います。

インタビューに答える野村千代さん

今回インタビューさせて頂いたはじけるような笑顔が印象的な野村千代さんは、アトピー症状が悪化して過去に3度も入退院を繰り返したアトピー患者です。

野村さんは10年以上治療を続ける中で同じ症状のアトピーの知人がくれた生活のアドバイスによって改善してゆくことを体感したそうです。

症状が近かったり、共通項があるとすんなり「サンプルある?」みたいな話になって、そう考えると当事者の輪ってやっぱり強いですよね。

そんな経験から彼女は「症状が似ていれば対策も同じはず」「患者が得た生活の知恵をさらに広いネットワークで情報を整理すればきっともっと生活は楽になるはず」という思いのもと共同ブログを公開し始め、そこから「全てのアトピー情報を整理する」株式会社untickleを立ち上げました。

untickleは、アトピー患者が顔、耳、頭、肩、のように部位別、また「かさかさ」、「まっか」、「ぐじゅぐじゅ」のように症状別に対策が投稿出来るようになっています。

untickleは気になる部位からも探せます

クリックすると…↓

部位、症状別に共有された対策が分けられている
(部位、症状別に共有された対策が分けられている。source:untickleウェブサイト)

「化学製品じゃないもので、可愛いものが着たいなぁ」

「保湿を手作りする人っているけど、どうやって作るんですか?」

「アトピーでも食べられるおやつってどんなもの?」

日々の生活が限られるからこそ、こんな風に質問が次々と浮かんでくるアトピー。にも関わらず、ネットの情報は錯綜していて体質的に合わないものも多ければ、病院で聞ける上記のような質問は少ないのではないでしょうか?

野村さんは上記のような些細な質問に答えることがuntickleの魅力の一つ、と話します。

些細な質問に答えてゆき、選択肢を増やす

保湿剤を探していて、「どんな保湿剤を使っていますか」と聞いたとしても、結局答えてくれる人のアトピー情報が分からないから自分のアトピー症状に近いか分からないんです。untickleはまだ初期の段階といえども、「部位と症状」が書いてあるからそれは解決できる。

また、たくさんの人が情報を提供するからこそ自分が求める情報を手に入れられるようです。

「綿製品でこんなにかわいいシルエットあるじゃん!」とか例えばそんなことでも良い。それは、情報を整理することによって選択肢が増えてくるから見えてくる。


アトピー肌でも快適に着れる服の紹介など、たくさんの役立つ情報を掲載するコラム(アトピー肌でも快適に着れる服の紹介など、たくさんの役立つ情報を掲載するコラムunticklecolumn)

野村さんは10年以上皮膚科に通い続けたもののなかなか症状が改善しなかったのですが、本人はアトピーに向き合わずにいい加減にステロイドを塗っていたことも原因としています。

 当事者が抱える問題と現在の医療のギャップ

やっぱり当事者としてはステロイドに対しての心理的な恐怖があります。恐怖心を取り除くのに具体的な対策があるか、というとないんですよ。結局この溝が埋められていない。

私は、「ステロイドが悪い」って強く言うのも問題があると思うし、「ステロイド塗っていれば良いんだ」っていうのも問題があると思うんですよね。ちゃんとした中間の立場が必要だし、その役目をuntickleが担うべきだと思うんですね。

野村さんが活動するアトピー界隈では医療学生に会うことがほとんどないことから、患者さんの抱える事情を知ってもらうために未来のドクターに患者会に参加してもらいたい、と話していました。

untickleの今後

「アトピー歴」とか「アトピーのレベル」を10段階にするとか、その情報に基づいて今度はユーザーと近い人が何人いて、その人たちが何の対策をしているのかっていうのを今しくみを作っているところです。アトピーの人たちって基準が違くて、「どういう対策が知りたいですか」と聞くと、地方にいる人は「同じ地域にいる人の対策が知りたい」と言うんですね。でもある人は「私は同じ年代の人の対策が知りたい」と言ったりする。

結局人によって違うんですよ。私は基本料理あまりしないんですけど、自炊して一生懸命良い料理で治すっていうのにあんまり魅力を感じないんですよ。「だったらサプリで良いよ」って。(笑) それぞれのライフスタイルとか性格によって基準が違うんですよね。選択しやすい環境をつくるのが今の目標であるし、他にはない比較になるかなと思います。

 

今や海外を中心に次々と出てきている患者のオンラインコミュニティですが、機能としてはuntickleのように対策を共有するものから、病気のログ機能、患者が動画や音声を投稿する機能、悩みや気持ちを共有する機能など様々なものがあります。

このようなサイトに人気が出る理由も、人間が薬以外に生活面をより快適にする知恵や心理的支えなどを必要としているからだという風に感じます。是非、untickleの各サイトをご覧ください!

「untickle各種 情報」
unticleバナー

「会員登録すれば、アトピーの部位と症状別に対策を共有していける」
untickleウェブサイト: http://untickle.com/
[untickleアプリ : iTunesストアでダウンロード可能]
[untickleの「日々の活動」、「アプリのアップデート情報」、「ネットではなかなか見つからない具体的なアトピー対策」などを紹介する]
untickle column ウェブサイト: http://column.untickle.com/

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