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認知症予防の新らしい頭と身体の体操「コグニサイズ」

公開日: : 最終更新日:2015/07/08

認知症予防の必要性

現在65歳以上の4人に1人が、認知症とその予備軍であるといわれています。さらに、2012年の調査によれば、認知症が原因で徘徊(自宅や入所している施設を出て、あてもなく歩き回るような行為) し、家族らが行方不明者として警察に届け出た人の数は9607人にも上ります。

認知症をいかに予防するかが社会的課題になる中で、認知症の様々な予防法が考案されています。そして、新らしく「コグニサイズ」という予防策が国立長寿医療研究センターから開発されました。

▼目次

  1. コグニサイズとは?
  2. 具体的なコグニサイズ例
  3. コグニサイズを実施するときのながれ
  4. 楽しくコグニサイズ

コグニサイズとは?

“コグニサイズは認知、認識を意味するcognition (コグニション)と、運動のexercise (エクササイズ)を組み合わせた造語”

です。その名の通り、コグニサイズは頭をつかう認識課題と声を出したり、身体を動かす運動の課題を同時に行う認知症予防法です。

具体的なコグニサイズ例

国立医療センターが発行しているコグニサイズの説明文書ではコグニサイズの具体例がいくつか紹介されています。どのコグニサイズも認識課題、運動課題で構成されており、そのどちらか一つから取り組み始めることがオススメです。

まず、コグニサイズの中でも一人でも取り組むことが出来るコグニステップについてです。画像は「認知症予防へ向けた運動コグニサイズ」 国立長寿医療センターHPより引用させて頂きました。

 

コグニステップ 1. 認識課題

両足で立って、しっかり考えながら1から順に数をかぞえ、「3」の倍数では手をたたきます。

コグニサイズ1

 

コグニステップ 2. 運動課題

ステップを覚えます。
①右足右へ→②右足戻す→③左足左へ→④左足戻す(①〜④を繰り返します)
リズムよくステップします。

コグニサイズ2

 

コグニステップ 3. 認識課題

ステップ1とステップ2を合わせて行います。

コグニサイズ3

 

その他のコグニサイズ例

その他に一人で行うコグニサイズの例は、はしごのようなマス目を使う「コグニラダー」があります。また、5人や3人でコグニサイズを行う「みんなでコグニサイズ」や早歩きをしながらしりとりを行う「コグニウォーク」などもあります。

みんなでコグニサイズ

コグニサイズは上記に例として挙げました「コグニステップ」「コグニラダー」「コグニウォーク」などのエクササイズの総称として国立長寿医療センターでは定義されています。「認知症予防へ向けた運動 コグニサイズ」

コグニサイズを実施するときのながれ

準備運動をする (ストレッチなど)

コグニサイズをすることで怪我をしてしまったら意味がなくなってしまいます。しっかりと準備運動をするようにしましょう。

5つのポイントの流れに沿ってコグニサイズを行う

1 . 内容を決める際には、バランス良く複数の種目を取り入れる

ストレッチ、筋トレ、ウォーキングなどの種類をバランスよく選ぶようにしましょう。

2 . 「ややきつい」と感じるくらいの強度の運動をえらぶ

運動時の脈をとり、それに沿って自分に合った運動、運動強度を選ぶ(下記の画像を参考にして下さい)

コグニサイズ4

3 . 転倒に注意する。もし不安であれば手すりなどにつかまりながら実施する

4 . 10~15分ずつから始める

5 . 無理をせずに水分をとり、痛みが起きていたら休息をとる

慣れたら次のメニューを実施する

運動と認識課題の比重が半分ずつであることが理想です。

*コグニサイズは短時間でも良いので毎日継続的に続けること、同じ時間帯に実施し習慣化させることが重要です。

楽しくコグニサイズ

国立長寿医療センターが2010 年で大府市のコグニサイズを取り入れた運動教室で行った調査では、軽い認知機能障害のある65歳以上の100人のうち8割の参加者に記憶力の向上がみられたそうです。

コグニサイズはほぼお金がかからずに、楽しく出来るエクササイズです。今回紹介させて頂いたコグニサイズをベースに試行錯誤して、内容を変えていく作業も推奨されている、重要な認知症予防のトレーニングです。

しかしどのような作業も、一人だと単調になりがちです。運動教室の中で親しい人、また反対に出会ったばかりの人と会話とコグニサイズを楽しみながら、刺激しあいながら取り組むことが重要なのではないでしょうか。また、その中で家族が何も関与しないわけではなく、まずひきこもりがちな高齢者が新しいことに挑戦することを応援するような姿勢が大事といえます。

身近な人に「コグニサイズ」を勧めてみませんか?

▲目次にもどる

<参考記事>
日本経済新聞 「認知症、高齢者4人に1人 「予備軍」400万人含め」
朝日新聞 DIGITAL 「認知症で行方不明届け、延べ9607人に 2012年」
介護応援ネット 「徘徊と退行」
東京新聞 TOKYO Web 「運動と頭の体操一緒に 認知症予防に「コグニサイズ」」
「認知症予防へ向けた運動 コグニサイズ」

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