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自分の意見に自信を持つには?~模擬選挙と、看護の授業で学ぶクリティカルシンキングから考える~

公開日: : 最終更新日:2014/08/12

※この記事は、インタビュー記事 自分の意見を持つことの大切さを子供たちに伝えたいー模擬選挙推進ネットワーク事務局長 林大介 
のインタビュアー考察記事になっています。

 

こんにちは。M-Labo Socialインタビュー企画も第二弾。

この企画を進めるにあたって、様々な方々からアドバイスを頂くことができて、感謝感激のまついはるなです!

さて、今回のインタビュイーは、未来を担う子ども達に「自分の意見を持ってほしい!」という強い意志もっていらっしゃる、

模擬選挙ネットワーク推進委員会事務局長の林大介さんです!!

ちなみに前回の記事で私は、日本の教育は若者の投票率を上げるような教育になっていないのではないか?という記事を書いたのですが、

じゃあ、一体どういう教育がいいんだろう? 今回はそれを、具体的に考えることができたような気がしています。

 

「自分の頭で考える訓練」が、投票率の上げるための教育に必要。

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私は、なんだか自分のことや身の回りのことを、様々な視点から見て客観的に考える癖があり、

当時は当然だと思っていたテスト三昧だった中・高での教育についても、いつしか疑問に思うようになりました。

そして、今回林さんにインタビューさせて頂き、今の日本の中・高での教育は、自分で考えたり、自分の意見を言ったりする授業や機会が少なかったことを思い出しました。

いかに周りと同じ意見を言って空気を壊さないようにするかが暗黙の了解。空気を壊せばKYと言われる始末。

でも、私達が生きていかなくてはならないグローバル社会で求められているのは、全く逆の力なんですよね!

自分で意見を大衆の場でしっかりと言うことができなければ生き残ることはできません。高校までの教育で高めてきた能力と、大学以上で求められる能力が違いに愕然としました。

自分の意見を言うためには、自分の頭で考えることが重要!だけど一体そうなるためにはどうしたらいいんだろう?

そこで、私がふと思い出したのは、大学の看護の授業で学んだ「クリティカルシンキング」という思考方法でした。

看護職だけではなく、研究者や他の医療職含めどの職種に対しても大事だと言える思考法だと思いますが、

授業で習って良かったな!と思ったものなので、自分への振り返りもかねて、ここで紹介させて頂きたいと思います。

 

クリティカルシンキングとは、批判的に物事を捉え、考え抜くこと。

模擬選挙

都内の模擬選挙の様子。1時間以上考えて投票する子もいるという。
(写真:林大介さん提供)

 

「クリティカルシンキング」とはその名の通り、常に物事を批判的に捉えて、それが正しいのか正しくないのかを考え抜くことです。正しいものを取捨選択することでもあります。

現場の看護師さんはこの思考を通して、医師に指示されたことや身のまわりの状況に、常に批判的に見て判断しているのだと思います。

なんと驚くべきことに、欧米諸国ではこの「クリティカルシンキング」が小学校のカリキュラムに取り入れられているそうです。

その理由は、多くの人種や価値観を持つ人々が住む国では、一人一人が自分の意見を主張できるくらい強くなる必要があるから。

欧米の子たちは、日本人みたいにテレビで聞いたことや人から聞いた話を鵜呑みにはしません。一つ一つの情報としてとらえ、自分の中で考えて、自分の意見をつくりだしているのです。

欧米人が選挙でも日常生活でもしっかり自分の意見が言えるのは、小学生の時からきちんと自分の頭で考えて意見を言えるように訓練を受けているからなんですね。

せっかくなので、「クリティカルシンキング」について詳しく書いてある本を載せます。

タイトルの響きがなんとも胡散臭い!!のはさておき、

この本には、ハーバード大学の提唱するメソッドやクリティカルシンキングをもとに、「考え抜く力」について分かりやすく書かれていました。 今回は、中身を少し抜粋してみたいと思います。

 

クリティカルシンキング 考え抜くためのコツは3つ!

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この本には一つの事例が出てきます。

ある海外の大学に留学するかどうかを決断するときに、あなたが「憧れのA先輩が良いと言ったから、その先輩が留学した大学に留学を決めた」場合、

これはきちんとした根拠を伴っていると言えるでしょうか?

 

コツ1:何が根拠として正しいのか考えること

まず、考えなくてはならないのは、

Ⅰ、根拠として述べられている内容は「正しい」のか

Ⅱ、根拠が根拠になっているのか

の2つ。この場合、先輩と自分は全くの別の人間ですので、自分にとっても良いとは限りません。なので、根拠として述べられている内容は正しいとは言い切れません。

そして、その先輩が良い大学だと言うだけで、それが一般的にも良い大学とは限りません。だから、根拠が根拠になっているとは言えないですね。

 

コツ2:視点を増やして、「反対の主張」を考える

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視点を増やすことが、物事の全貌を考えやすいと言います。

そのために一番早い手段として、自分の考えと反対のことを考えることをしてみることです。

ここでは、「憧れのA先輩に良いと言われた大学だけど、私はその大学に留学しない。」が反対の主張。

この反対の主張に対して根拠を考えてみると、

その大学に留学すると2年間のブランクができてしまうから自分には合わない、コストがかかりすぎるから自分には非現実的、など

デメリットを冷静に見ることができます。

元々の主張が本当に自分にとって良いものなのかどうなのかが見えてくることでしょう。

 

コツ3:「なんとなく」でない考えができると、自分に自信が持てる

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自分にはこういう根拠があるからこそ、こう考えるのだ、と言ったように、根拠を意識することで、

自分自身の考えをもち、自分に自信が身についてくるそうです。

そもそも留学することで、憧れの先輩みたいになれるのでしょうか?なんとなくなれそうだけど、その根拠には思い込みが入っていないでしょうか?

これだけ自分に問い詰めて、自分で考え抜くことができれば、どんな選択をしても後悔することはなくなりそうですね。

 

医療者にとって、自分の意見に自信をもつことは必要不可欠!

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そういえば、

「その根拠は?」「この状況で何か足りないことは?」

「患者さんにとってそれをやることは、どういう理由で効果があるの?」

「これを言ったら、患者さんや患者さんの家族はどういう思いになるかな?」

というクリティカルシンキング的な言葉は、看護学生だったら実習中に指導者さんや先生から耳にタコができるほど言われますよね!(全国統一だといいな…)

そう突っ込まれるたびに、私は時に泣きながら、図書館で根拠を調べて実習記録を書きました。看護学生の実習記録は「クリティカルシンキング」そのものなのだと授業で習います。

それでも、看護の実習は体力的にも辛いので、なんで睡眠時間を削ってまで根拠を考えなきゃなんないの?!と心の中で叫んだ日もありました。チョコレートとコーヒーと一緒に夜をお供し、ニキビとクマがたくさんできました。

でも、大切なことに気づくことができました。

 

考え抜かれた根拠のある意見には、ものすごい説得力があるのです。

指導者さんや先生に対してだけではありません。

患者さんやその家族に対して、医療者としての最大の責任をもつための手段は、根拠のある意見と自信を持つこと。

そして、それは患者さんに正しい知識と安心感を与えることもできるのです。

 

模擬選挙を通して育まれる「自分の頭で考える」力は、医療者にこそまさに大切な能力だったのです。

 

模擬授業の狙いと看護の授業で学ぶクリティカルシンキングとの意外な共通点。

当たり前のようで、実際は一朝一夕で身に着けられる力ではありませんが、

日々のちょっとしたことから次の選挙が来た暁まで、考え抜くコツを意識していくことで身に着けていける能力なのだと信じています。

 

最後に。

自信に満ち溢れると、見た目も豊かになる。

 

模擬選挙のお話を通して、投票することはそれだけ考え抜いて、自分の意見に責任をもつということだということが分かりました。

そして、考え抜くことが、自分の日常生活や医療者になってからも通じる大切な行為だということも分かり、

自分が自分の意見をきちんと言えていただろうか?きちんと言えるために、自信を持つために考え抜いていただろうか?と、問い直すことができました。

自分を含め、医療関係者でもそうでなくても、何かの会議やミーティングやカンファレンスなどで、自分の意見に自信が持てる人がどんどん増えたら素敵だな~と思い、この「クリティカルシンキング」の事例を交えてみました。

 

さらに、看護でこんなこと習ってるなんて、思ってもいなかった方もいらっしゃると思いますが、

医療業界における最大の接客業ともいえる看護の授業で学ぶことは、まさに「人生学」だと私は思っています。

人の生活に密着している学問だからこそ人生で役に立たないことがなく、それこそ義務教育で習っても良かったんじゃないかと思うことばかりです♡

学生目線ではありますが、看護の知られざる学問としての魅力についても、記事を通して個人的にちらちらと書いていきたいと思っておりますので、これからも宜しくお願いします。

 本日も、読んで頂きありがとうございました。

 

「医療×政治」
第一弾インタビュー記事
政治の現状を変える手段は自分でつくる!-NPO法人YouthCreate代表 原田謙介
第二弾インタビュー記事
自分の意見を持つことの大切さを子供たちに伝えたいー模擬選挙推進ネットワーク事務局長 林大介 

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