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公開!離島救急医の日常

公開日: : 最終更新日:2014/11/21

となりの芝は、青い。
他人の生活は、気になる。

 

「銀行員やってる友達とか、毎日どんな生活をしてるんだろうなぁ(半沢直樹??)」
「研究者って言っても色々だろうし、毎日試験管振ってるわけじゃないよなぁ」
「飲食店の経営者って、店の裏でどんなことしてるんだろう。そもそも店に出勤してるのかな」

そして気付きました。
医者の日常が気になっている人もいるんじゃないかと。
見えないものが気になるのは、きっとお互いさまでしょう。

というわけで。
ふとしたきっかけで石垣島にやってきた20代救急医がどんな生活をしているのか、数回に分けて書いていこうと思います。

※ 一連の投稿に出てくる患者は、全て架空の人物です

 

よくある一日

7:00 起床。
南の島は暖かいから、朝ふとんから出られないなんてことはありません。
準備して、8時に家を出ます。
病院まで車で10分。島では一家に一台じゃなくて、一人に一台必要です。
うちは夫婦2人、中古の軽1台 + 自転車で何とかがんばってますが…。
電車なんて無いし、バスも1時間に1本。そして小回りがきかない。

8:30 業務開始。
救急外来に行って、何となく昨日来た患者のリストを眺めながら、次来る患者に備えます。

「先生、患者さん一人お願いしまーす」
看護師さんからカルテを手渡されます。
島は電子カルテじゃなくて、バインダー型の紙カルテです。

「1週間前から風邪が治らない80歳の女性。咳が増えてきて、苦しい。」
肺炎かなぁ…。

お話して、診察して、レントゲン撮って、肺炎でした。
私:「風邪をこじらせて、肺炎になっちゃったみたいですね。」
患:「1週間前に行った病院ではただの風邪だって言われて、ろくに薬もくれなかったんだよ!あそこはダメだね…。」
私:(1週間前はきっと本当にただの風邪だったんだと思うんだけどなぁ…遅れて肺炎になることが多いし…うーん)

患者の言うことが医学的に間違っている(かもしれない)時に、それを訂正するかは迷いどころです。
100% 自分が正しいかなんて分からないし、病気の治療と関係のないところで不信感を持たれても、何のために治療をしているのか分からないし。
迷ったあげく、たいていは「そうですかー。まぁ、色々難しいですよね。じゃんけんと同じで、後出しの医者の方が色々よく見えるものなんですよ」くらいにお茶を濁してしまいます。
相手が若くて論理的な人であれば、こちらも色々突っ込んで説明したりもするんですが。

80歳の方が肺炎になったらそれだけで入院にするという考え方もありますが、「沖縄の80歳は本土の65歳なみ(に元気)だ!」と自分に言い訳しながら、抗生物質を出して、2日後にもう一度来てもらうことにします。
入院したら筋力も落ちちゃうし。

 

そんなこんなしているうちに、診察待ちの患者が増えてきました。
島人(しまんちゅ)8割、観光客2割、って感じです。

手が空いたスキを狙ってお昼の弁当を買いに行くと、「先生、患者さん来ました~」と呼び出されて(PHS)、結局買ったままの弁当が夕方まで放置なんてことはザラです。
それが怖くて、そのうち昼ごはんを食べる習慣がなくなってきます…。

この日は結局夕方まで忙しく、18時に夜の当番の人に引き継いで、仕事を終えました。
当直がない日は、東京で働いていた時よりも早く帰れます。

うちで夕食を食べて、23時には寝るという、恵まれた生活を送らせてもらっています。

 (続く)   

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